エブリン

1978年、エルメスはスポーティで実用的な新しいバッグを世に送り出しました。

それがエブリンです。

エルメスの馬具部門が開発したこのバッグは、もともと騎手や厩舎スタッフのための道具入れとして誕生しました。

軽快に持ち運べるショルダーバッグで、最大の特徴はバッグ表面に配されたパンチング加工の「H」マーク。

通気性を保つために開けられたこの穴は、当初“裏面”とされていましたが、やがてこのデザインそのものが象徴となり、“表”として親しまれるようになりました。

名前の由来は、エルメス社内の馬具部門責任者「エブリン・ベルトラン」の名にちなむもの。

彼女の視点から生まれたバッグは、機能性を追求しながらも、どこか軽やかで都会的な印象を与えます。

柔らかなトリヨンクレマンスやエヴァーカラーといったレザーが使われ、体にフィットするしなやかさも魅力。

クロスボディで持てる気軽さと、エルメスらしい上質な佇まいを併せ持ち、男女問わず幅広い層に支持されています。

本来の用途を超えて、今では日常に寄り添うアイコンバッグへと進化したエブリン。

その誕生の背景には、エルメスの根幹である機能美とクラフツマンシップが脈々と息づいています。